不動産を相続することは、一見すると大きな財産を手に入れるように思えるかもしれません。しかし、相続した不動産をどのように扱うかによって、その価値が大きく変わることがあります。今回は、不動産を相続する際に注意すべきポイントをいくつかご紹介します。
1. 物件の特性と立地を見極める
まず、不動産の特性や立地条件をよく理解することが重要です。特に、建物の近接道路の幅員や地域特性が、物件の価値や将来のリスクに大きな影響を与えることがあります。
「まず、建物の特性については、近接する道路の幅員が5.5m以上13m未満であることで空き家になりにくいといえる。これは、一定幅の歩道・車線数を有する道路に近接している場合は一定水準以上の接道性が確保されていることや建替えや大規模な改修が可能になることにより、空き家になりにくいことを示唆している。次に地域特性については、建物の立地場所が、世帯数が増加傾向にある地域であること、商業系用途地域であることで建物が空き家になりにくいといえる。」
森崇太; 関口達也. 京都府宇治市における空き家の発生要因に関する研究 空き家になりやすい町丁目・建物・所有者の特徴分析. 日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集, 2024, 22: 161-164.
このように、立地条件や周辺環境が物件の将来性に直結します。相続する不動産が空き家になるリスクを避けるためには、建物の特性や地域特性を事前に確認し、適切な対応を取ることが必要です。
2. 価格交渉での注意点
相続した不動産を売却する際、価格交渉が重要になりますが、焦って売却を急ぐと、相手に足元を見られてしまう可能性があります。
特にあせっている人は『〇日中にお金を用意しなくちゃいけないから』とか、余計な情報を与えてしまいます。すると足元を見られて、きつめの価格交渉をされがちです。これは営業が自社のお客さんに売る際に『この方交渉しやすいですよ』などと言うためだったり、自社で安く買い取りをするためです。買取はいつでもいいんだけどという、余裕を見せるほうが賢いです。
不動産営業にどういう人がカモなのか聞いてみたから参考にしてね。
交渉においては、余裕を持ち、相手に隙を見せないことが大切です。また、事前に不動産の価値や市場動向をしっかりと調査し、知識を蓄えておくことで、交渉において有利な立場を取ることができます。
3. 不動産の将来価値を見極める
不動産を相続した後、その物件を維持するか売却するかを判断する際には、将来的な価値も考慮に入れるべきです。例えば、人口減少が進む地域では不動産の価値が下がる可能性があるため、売却を検討するのも一つの手です。
一方で、商業地や人口増加が見込まれる地域では、長期的に所有することで利益を得られる可能性もあります。こうした地域特性や市場動向をしっかりと見極めることが、資産を最大限に活用するための鍵となります。
まとめ
不動産を相続することは、大きなチャンスであると同時に、リスクも伴います。物件の特性や立地条件を十分に理解し、冷静に価格交渉を行い、将来的な価値を見極めることで、相続した不動産を有効に活用し、資産を増やすことができるでしょう。
相続に関しては主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例:法務局が詳しいです。